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氷室編しかない

先生のお気に入り(氷室編)

コンクールと文化祭その1



10月の真っ青な快晴の空、何かいいことありそうな休日。
今日は、現役モデルで成績優秀・スポーツ万能な学園の王子、葉月珪と森林公園に出掛けることとなった。

夏休みが終わってからというもの、全国吹奏楽部コンクールに向けて最終下校時刻時間いっぱい、休日返上の猛特訓の部活に、
には氷室の個人授業という、ありがたくないオプションも付いている。
精神的疲労の溜まっているには、いい気分転換のお誘いだった。




前日のことだった。が気分転換にクラブの休憩時間に屋上に出向いた時のことだった。
(あれ・・・?)
「ーーーああ、ーーーわかってる。−−−父さんも、こっちのことは心配しなくていいから・・・」
「葉月くん・・・」
は電話が終わるのを待って、フェンスにもたれかかっている葉月の傍にいった。
「ああ、おまえか」
「・・・ご家族と電話?」
「うん・・・」
「・・・休憩か? クラブ大変そうだな」
「うん。氷室先生ピリピリしてる。自分の思うようにいかないみたいで」
思ったことを素直に語る裏表のない彼女に、何だか心地良さを感じる。
が語るクラブの状態や不満など、一切口を挟まず聴いてやっていた。
そして、
葉月は、つい、自分の置かれた家族の状況や一人暮らしをしていることなど、淡々と語った。
「そうだ、おまえ、今度の日曜、空いてるか?」
「え、うん、クラブはあるけど、第3日曜じゃないから出なくても平気だけど」
「森林公園に行かないか?」
この休日の後は第3日曜のサボったら退部という理不尽な練習日、その翌週は全国吹奏楽コンクール高校の部の県予選だ。
1日くらい生き抜きしたって罰は当たらないだろう。
「OK、いいよ」




(いい天気だなー、お弁当持ってきてよかった)
森林公園入り口で大きな袋を抱えて、は葉月を待っていた。
「待ったか?」
「あ、葉月君。おはよう。歩いてきたら思ったより早く着いちゃって」
「おまえ、その荷物持って歩いてきたのか・・・」
葉月は無言での荷物を持ってやった。
「ありがと」
「行こう」

のんびりと二人で、並木道や噴水広場を散策する。葉月はほとんど喋らないが、はマイペースに自分のトークを展開していた。
葉月の方もまんざらでもなく、黙々と彼女の話を聞いていた。
ちょうどお昼にいい時間だったので、二人は芝生で持参のお弁当を食べることにした。

重箱3段のお弁当箱には、おにぎり、から揚げ、ウインナー、卵焼き、ほうれん草の胡麻和え、かいわれ菜などがぎっしりと詰められていた。
「す、すごいな・・・」
どうみても4人前はありそうな弁当を涼しい表情で眺める。
「はい、お口に合うかわからないけど」
紙皿におにぎりとおかずを取り分け、差し出す。葉月はから揚げを齧った。
「・・・うまいな。これ買った奴じゃないのか」
「ちゃんと生の鶏肉から自分で作ったよー」
「から揚げって、家で作れるんだ・・・」
「・・・?」

食事もそろそろ終わるかなという頃、葉月の紙皿は緑色の野菜が手を付けられていなかった。
「あ、葉月君、かいわれとほうれん草、苦手なの?」
「・・・ああ、緑色の苦いのヤダ」
「食べてくれないんだー、せっかく作ったのにー」
「・・・ごめん」
(・・・そうだ!)
「かいわれさんもほうれん草さんもかわいそう! せっかく葉月君に食べてもらえるって喜んでたのに・・・」
「・・・・・・」
「いいのかなぁ、とっても身体にいいのになぁ。食べると身体が強くなるのになぁ」
弟の尽によく言う台詞だが、高校生の葉月が納得するのかどうか怪しいが。今では『姉ちゃん、アホか』と悪態つかれるくらいだが。
「・・・食べる」
葉月はもくもくと緑の野菜を平らげた。
(あ、うまくいくといは思わなかった・・・)




食事が終わり、二人で芝生に寝そべって食休みをしていた時だった。
なんか向こうの方が騒がしい。
「ねえねえ、あそこにいるの、葉月珪じゃない?」
「あ、それっぽい! ちょっと行ってみよう!」
女子のグループが騒ぎ出すと、なんだなんだと、若い女の子がぞろぞろとこちらに集まってくる。
「! まずいな」
葉月はささっと荷物を持って、の手を握って走り出す。
「葉月君!?」
「面倒だから、逃げよう」



どこまで来たのだろう、噴水広場の奥の辺りか。
それでもファンは付いて行くどこまでも。。。
葉月は雑木林の中に進入し、を押し倒した。
「は、葉月くん!」
「シーーーッ!」
葉月は人差し指を立てて、の唇に当てる。
傍から見ると、男性が人影に女性を連れ込んで乱暴している様にもみえる。
(うわっ、顔が近い・・・それに、脚の間に葉月君の脚が!!)

「あれー、どこいったのかなぁ?」
「こっちにいったよねぇ。葉月くーん!!」

暫くして、あきらめたギャル達はいつの間にかいなくなっていた。
「ハァ・・・・・・」
「葉月くん、、、そろそろ動きたい」
「・・・・・・ご、ごめん」
クールに振舞っていても、葉月のほうはドキドキしていた。突然のトラブルとはいえ、女の子のバストやら太腿やらの感触で動けないでいた。
葉月はを見つめる・・・そして・・・
「は、葉月くん??」
美味しそうなぷっくりとしたピンク色の唇、高校生とは思えない豊満な胸が誘うように隆起している。自然と彼の唇が彼女の唇に近付こうとする。
「・・・・・・氷室センセ・・・」
「・・・・・・!!!」
それは、小さな小さな呟きだった。本人にも自覚がない、自身も無意識に放った言葉。
だが、葉月には壊滅的な言霊だった。

葉月はゆっくりと身体を起こし、の身体も起こしてやった。
芝生の部分を選んだが、後ろ側は少々泥で汚れてしまっていた。
「・・・ごめん、悪かったな」
「ううん、スパイ映画みたいで楽しかったよ」
「・・・おまえ・・・」
葉月は、やれやれ、おまえには敵わないよ。といった表情でに笑顔を見せた。
「これから、どこか、遊びに行くか?」
「うん」

その後、駅前広場のほうに移動してゲームセンターや商店街を見て回った。
日が暮れるまで遊んだは、すっかりリフレッシュできた。
明日から、勉強と吹奏楽をがんばろうと思った。